FRBの評決が近づくにつれ、経済リスクが金を2,000ドル以上に押し上げる
[5月3日 ロイター] - 投資家が米連邦準備理事会(FRB)の金融政策決定に身構える中、米国の債務上限を巡る不確実性やその他の経済逆風を受けて、金相場は水曜日、2000ドルの水準を大きく上回って堅調となった。
金スポットは火曜日に1%以上上昇した後、ほぼ変わらず、1135GMTまでに0.06%下落してオンス当たり2,014.97ドルとなった。
米金先物は0.1%上昇し2025.40ドル。
FRBの金利決定は1800GMTに予想されており、25ベーシスポイント利上げの確率は88.7%となっている。
政策当局者らはインフレ抑制の必要性と、銀行破綻から来月にも米国債務不履行の可能性まで幅広いリスクとのバランスをとっているため、中銀は引き締めサイクルの一時停止を示唆するとも予想されている。
ActivTradesのシニアアナリスト、リカルド・エヴァンジェリスタ氏は、金は米国の銀行危機に対する不安の高まりで安全資産への需要が高まっていることと、FRBのスタンスを巡る不確実性が上値を抑えていると述べた。
インフレや経済混乱に対するヘッジとして知られる地金は、銀行危機のさなか4月に1%超上昇した。 しかし金利が高くなると、ゼロ利回り資産の魅力が損なわれる傾向にある。
ACYセキュリティーズの首席エコノミスト、クリフォード・ベネット氏は「FRBが一時停止してサプライズを仕掛ければ、銀行危機の深刻化を示唆し、金相場が上昇する可能性が高い」と述べた。
一方、米国株先物は、利上げがピークに達する可能性があり、中央銀行が目指してきたソフトランディングが目前に迫っているというFRB声明からの手がかりを得るためにトレーダーらが緊張する中、脆弱な市場で上昇した。
しかし、債務上限をめぐる超党派の合意を巡る困難により、金がさらに支援される可能性があるとエヴァンジェリスタ氏は付け加えた。
現物銀は0.5%下落して25.25ドル、プラチナは0.2%上昇して1,067.18ドルとなった。
パラジウムは1.3%上昇し1447.57ドル。